捻挫で神経損傷???

 

From:黒川 純

@診察室より、、、

 

14時30分・・・

今日は院内勉強会だ。

 

いつもスタッフがいろいろな
テーマについて勉強して、
発表するのがこの勉強会だ。

 

もちろん、
質問にも答えなければならない。

ということは、
それなりに勉強していないといけないわけだ。

 

スタッフにはプレッシャーかもしれないけど、
それ以上に得るものがある。

 

やっぱり聞いて勉強するのと
自分で本や論文を見て勉強するのとでは
勉強の質としては雲泥の差がある。

 

そして、勉強会の最後には
私から補足説明をするようにしている。

 

私からは学んだ事をいかに
すぐ使えるように思考できるか、

そしてより臨床上必要な知識を
補足するようにしている。

 

このような勉強会を毎週している。

 

さて、今日のテーマは「総腓骨神経」だった。

神経の走行、分岐、支配している筋肉、
そして知覚領域などについてスタッフが話した。

 

そのあと私が補足をしたのだが、、、

これ、もしかしたら知らない先生も
いるかもしれないと思ったので、
ちょっとシェアしておきますね。

 

総腓骨神経は腓骨頭の後方から前方に回り込み、

浅腓骨神経と深腓骨神経、
そして反回関節神経の3本に分岐する。

 

反回関節神経は分岐後、
長趾伸筋を裏側から貫通して膝関節の前面に至る。

 

深腓骨神経は、TA(前脛骨筋)と
EHL(長母趾伸筋)の間を下降して足背に至るのだが、
TAとEHLと同様、深腓骨神経も下伸筋支帯の下方を通る。

実はこの部でのentrapment(絞扼)がまれにみられる。

これは「前足根管症候群」と言われており、
深腓骨神経の固有知覚領域に疼痛やしびれが生じます。

 

その多くは靴による圧迫と言われていますが、

他にも同部に圧迫や機械的刺激が
加わるような原因で発生する可能性はあります。

 

さて、今度は浅腓骨神経についてです。

浅腓骨神経は下腿下部にて
内側足背皮神経と中間足背皮神経に分岐します。

ここで覚えていただきたいのが、
中間足背皮神経の存在です。

 

この神経は分岐後、外果の前面を通って4,5趾へと至ります。

その走行上、実は足関節捻挫時に
この神経も影響を受ける可能性があるということです。

 

というのも足関節捻挫で好発するのは
ALFL(前距腓靭帯)損傷ですが、
その近くをこの神経が通っているわけです。

 

ということは、内返し捻挫の場合、
ALFLだけでなく、

この神経にも同じような力学的ストレスが
かかっているということが容易に想像できます。

 

時々このような患者さんに遭遇しませんか?

 

ATFLの圧痛は消失したけど、
内返しを強制すると最終域辺りで

ピンッと突っ張ったような痛みが走るとか、

しかもその痛みは、
ALFL部より遠位で一本のスジが入ったような感じ。

 

このようなときは、中間足背皮神経の損傷を疑い、
所見をとってみてくださいね。

ご参考まで。

 

今日の勉強会の補足より、、、

 

黒川

 

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