From:黒川 純
@診察室より、、、
以前からことあるごとに
当院をご利用いただいている
患者さんのお話し。
ここ数ヶ月、
急性の肩関節周囲炎となり
施術を行っていた。
ところが、最近仕事が忙しいせいか
1ヶ月ちょっと来院されてなかった。
「肩が悪化してなければいいけど…」
そう思っていた矢先のことだ。
その患者さんから
電話がかかってきた。
でもいつもとは
ちょっと様子が違った。
「先生、膝が痛くなったんですけど…」
「え???」
私はてっきり肩の施術の
予約の電話と思っていた。
でも、その患者さんは
以前に度々膝が痛くなることがあったので、
いつものように傷めたんだと
その時は思っていた。
その日の夕方、
その患者さんが来院された。
受付で問診票を書いてもらい、
少し待っていただいていた。
私が診察室から受付を見渡し、
その患者さんを診察室へ呼んだ。
「ん?」
いつもと明らかに
歩き方が違った。
いわゆる跛行を呈していたのだ。
いつもは膝が痛くなっても
そこまでではなく、
跛行を呈することはなった。
(どうしたんだろう…)
診察室で詳しくみると、、、
どうも朝起きて左膝に体重をかけた際に
強い痛みがあったとのこと。
患部の炎症強く、熱感を認め、
腫脹があるものの
靭帯損傷、半月板損など
明らかな所見の異常は
認められなかった。
おそらく滑膜炎。
そう推測した。
この日はアイシングと微弱を行い、
キネシオテーピングと
包帯固定としていた。
そして患者さんには
安静を指示していた。
翌日来院時。
歩行できないとのことで
車いすで来院。
(昨日の施術に何か間違いがあったのかな…)
そんな不安がよぎった。
そこで患者さんから
話しを聞くと…
昨日先生に安静に
するように言われたけど、
自転車に乗れなかったから
長時間歩いた。
とのこと…。
そのために歩けなくなるほど
症状が悪化してしまったようです。
ともあれ、炎症が強くなり、
熱感も強かったため、
このとき単なる炎症ではない
可能性もあると考えていた。
受傷機転から考えても
そんなに強く炎症を起こすことはない。
それが、
いくら歩いたからといって
ここまで炎症が強くなるとは考え難い。
おそらく偽痛風や
化膿性関節炎だろうと思っていた。
そして、
3日目に整形外科へ。
そして整形外科の医師より
このようなご回答をいただいた。
#######
関節内よりかなり白濁した
関節内容を40ml ほど排液しました。
レントゲンにて写真のごとく、
内外側の半月板に
ピロリン酸カルシウムの沈着を
かなり高度に認めます。
半月板の深部にまで
しみこむように沈着しており、
とることはできません。
血液検査では尿酸は
かえって3.4と低すぎで、
尿酸が析出したあとの
状態のようにも見えます。
今回は関節内容が
あまりに汚かったので、
化膿性関節炎も除外のため
関節液の培養検査だしています。
#######
実際のレントゲン画像では
半月板が一帯的に白くなっていました。
以前にも同じような症例を
メルマガで書きましたが、
それだけ日常的に
このような症例に遭遇するということです。
先生の院でもこのような患者さんは
来られてませんか?
いや、すでに来ているかもしれませんよ。
発症機転と病態、
そして症状の説明がつかない場合は要注意ですよ。
黒川
この記事へのコメントはありません。