「アイシングはどうするのか?」-続編-

 

From:黒川 純

診察室より、、、

 

前回の「アイシングはどうするのか?」の
続編です。

 

ちょっとマニアックな
部分もありますので、

興味のない先生は
スルーしてください。

 

さて、まずは氷の温度について
お話ししておきますね。

 

氷は0度で凍るんだから
「氷は0度だ!」

そう思われるかも
しれませんが…

実は違います。

 

確かに氷は0度以下になると
凍りますが、

その後さらに温度低下は続き、
最終的には冷凍庫内の温度となります。

 

よって家庭用の
冷凍庫の場合、

冷凍庫内の温度は
メーカーによって違いますが、

マイナス18~20度と
なっていますので、

氷の温度は
【マイナス18~20度】
となります。

 

ちなみに、、、

水は0度で氷になりはじめ、
全て氷になるまで0度のままです。

 

そしてその後、
徐々に氷の温度は下がり、

最終的には冷凍庫内の
温度と同じ温度になります。

 

しかし、
ご質問にもあったのですが、
製氷機の場合は違います。

 

私もこうして先生に
ご説明させていただく中で
疑問に思ったことがあったので、

製氷機を製造している
会社2社に直接電話して
いろいろと確認させていただきました。

 

製氷機の場合は、
そもそも氷を作る
メカニズムが違います。

 

家庭用の冷凍庫の場合は
氷を作るために
製氷器に水を入れて

冷凍庫内の温度を
下げることによって氷を作ります。

 

しかし、製氷機の場合は
鉄の製氷器が逆さを向いていて

その鉄の製氷器を
ガスで冷やして

そこに下から水を噴射させて
徐々に氷を作るのだそうです。

 

そして氷ができたら
下に落ちるという
仕組みになっているようです。

 

落ちた氷のある所は
いわゆるクーラーボックスのようなところで、
温度管理はしていないとのことでした。

 

ということは、
その鉄の製氷器が
何度かによって

作られる氷の温度が
わかるのですが、

計測データはない
とのことでした。

 

しかし、
問い合わせした会社の
担当者によると、

おそらく0度や
マイナス1度という
高い温度ではなく、

家庭用の冷凍庫と
同じくらいの温度には
達していると思う。

 

そうご回答いただきました。

 

次に凍傷について
少し詳しく説明しておきますね。

 

凍傷は長時間の
冷却によって起こりますが、

その直接的な原因は
何度という温度だけではありません。

 

時間や適応部位、
冷却方法、湿度など

様々な要素が関与します。

 

とある論文では、
6度で40分の冷水浴後に
発赤や腫脹がみられた
という報告もあります。

 

一方で1度の水に
45分つけても悪影響は
見られなかった
との報告もあります。

 

いろいろと言われている中、
アイシングの権威Knight氏は、

様々な研究より

組織損傷が起きる
決定的な要素は
冷却の適用時間である

と結論付けています。

 

そして短期間(1時間以内)の
アイスパックの適応は、
凍傷を起こすものでは無いと
結論付けています。

 

ただし、
私は注意が必要である
と思うことがあります。

 

それは氷の状態です。

 

というのも、

溶けだしている氷の
表面温度は0度以上です。

 

表面が溶けだした
氷は問題ないのですが、

冷凍庫から氷を出した時に
表面が白く霜が
ついたような状態であったり、

手にくっつくような
氷の場合は、

表面温度がまだ0度以上に
なっていない可能性があります。

 

このような場合、
その氷を患部に当てると
凍傷を引き起こしてしまう場合があります。

 

そのリスクを回避するために
私はアイスパックを作る際に
水を入れています。

 

しかし、

先ほども説明させて
いただきましたが、

製氷機で作られた
氷の場合は、

保存されている
庫内の温度管理は
されていないので、

氷は徐々に溶けて
いっているという状態です。

 

よって、氷の表面は
0度以上となっているので、

凍傷の可能性は
低いと思います。

 

私がアイスパックに
水を入れている理由は
他にもあります。

 

dykstraらは、
アイスバッグ内に
キューブ型の氷のみ、

クラッシュアイスのみ、

水とキューブ型の氷の混合の
3種類にて、

皮膚温への影響を
検討していて、

この結果では、
水と氷を混合させたものが
最も冷却効果が高いと
結論付けています。

 

また、

入江は足関節外側部における
冷却部の温度分布に
関する研究において、

凹凸部分でも均一に
冷却できる方法を検討し、

アイシングを行なう場合、
内容物として
0℃の冷水を推奨すると
結論付けています。

 

このような理由から
アイスパック内に
水を入れて使用しています。

 

長文になってしまったので、
まとめておきます。

 

・家庭用の冷凍庫で作った
氷の温度はマイナス18~20度である。

・製氷機の氷の温度も
家庭用の冷凍庫で作った
氷の温度とさほど
変わらない可能性がある

・製氷機で作った氷は
その後の温度管理をしていないので
徐々に溶けている

・Knightによると1時間以内の
アイスパックの適応は、
凍傷を起こすものでは無い

・重要なのは氷の状態。
表面が溶けているかどうか。

・私がアイスパックに
水を入れる理由は…

①氷の表面温度を上げるため
②冷却効果が高い
③氷の凹凸や患部の凹凸に
対応して均一に冷却できる

今後のアイシングの
参考にしていただければ幸いです。

 

黒川

 

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