From:黒川 純
@診察室より、、、
示指伸筋(EIP)と小指伸筋(EDQ)は
どちらも指に対して「伸展」させる作用があります。
しかし、運動連鎖的な観点から考えると
2つの筋肉は相反する関係にあるんですね。
例えば、、、
手を開いた状態で前腕を回外してみてください。
いや、、、
もっと強く回外してください。
どうでしょうか。
EIPをよく使っているということが
おわかりいただけたでしょうか?
ん?よくわからないですか?
それはもしかしたら回外するときに
その運動軸が示指になっているかもしれません。
小指を回転軸として回外してみてください。
ね、EIP使っているでしょ?
このとき小指はMP関節で
屈曲傾向になっているということもわかりますね。
次は逆です。
そう、回内してみましょうか。
回内するときの運動軸は示指ですよ。
示指を軸に回内してみましょう。
ほら、EDQを強く使っている
というのがわかりますよね。
回外するときとは逆に今度は
母指のCM関節やMP関節が
屈曲傾向になっている
ということもわかりますね。
つまり、このような視点でみると
EIPとEDQは相反する関係にあるんですよね。
ただ、もうお気づきの通り、
回内とか回外するときの回転軸によって
どの筋をどの程度使うかは
変化しているんですね。
とはいえ、同じ〇〇伸筋という名称にもかかわらず、
EIPとEDQは全く違った動きに
関与しているということがわかりましたね。
「人は見た目だけで判断しちゃいけない!」
とかって言われるように、
筋肉だってその名前が〇〇伸筋とか、
〇〇屈筋だからというだけで
その筋を評価したら筋肉に失礼ですよ。
つまり、このようなとらえ方だけで
とどまっていると、
いくら解剖学的知識があっても
アプローチへの発展は少ないんですよね。
でも、機能的な観点とか運動学的な観点から
その筋がどのような状況下で作用するのかとか、
他のどのような筋と相反しているのかとか
という視点でみることによって、
何か発見できるかもしれません。
これはアプローチだけではなくて、、、
時々こんなことってありません?
「え?なんでその動きでここが痛いの?」
って思うこと。
ありますよね~?
こういう時こそ、
違った視点が必要なのかもしれませんね。
黒川
この記事へのコメントはありません。