From:黒川 純
@診察室より、、、
なんでよくならないの…。
教えてもらった
通りしているのに…。
同じことしているのに…。
その理由は、
上っ面だけ真似ているから。
実は技術で最も重要なのは、
そのテクニックではない。
いかに病態を細かく分析し、
把握しているのか?
そして、どんな理論で
施術しているのかということ。
だから見よう見まねで
同じ結果は出ない。
以前、スタッフから
こんな質問を受けた。
それはとある
アプローチ方法について
解説した時のこと。
先に言っておくが、
スタッフはまじめだ。
「院長、それなら回旋痛があるときはこれをしたらいいんですね。」
確かこんな質問だった。
私はすぐに返答した。
「それは違う。」
なぜなら施術の際に
最も重要なのは
その患者さんがどんな病態なのか
ということだから。
アプローチはそれ単独では
何の意味もなさない。
病態があって
その病態を改善するための一手段だ。
だからなんでもかんでも
そのアプローチをすれば
治るというものではない。
何度も言うが
重要なのは病態だ。
そもそもなぜ痛めたのか?
どの組織がどのように
損傷しているのか?
これがあって初めて
アプローチを検討するのだ。
結果が出ないのは、
アプローチに頼りすぎていること。
そして的確に病態を
把握できていないこと。
これが原因だ。
さらに、アプローチの理論自体を
十分に理解できていないことも
原因かもしれない。
実は結果が出ない原因は
もう一つある。
それは自分なりに
間違った理論に
塗り替えてしまっている
ということだ。
いくら学んだ理論といえど、
毎日使い続けているうちに
自分なりにその理論を
変化させてしまうことがある。
これがいい方向に
変化しているのであればいいのだが、
多くの場合は悪い方向に
変化させてしまっている。
そのため元の理論や
アプローチとは
かけ離れたものになり、
最終的に結果が
出なくなってしまうのである。
およそ600年前、
能を大成した世阿弥(ぜあみ)は
『花鏡(かきょう)』
という伝書に
「初心忘るべからず」
という言葉を
書き残している。
おそらく誰もが知っている言葉。
改めて自分の未熟さに気づき、
そこでいろいろと
勉強しなおすことで
初めてその上のステップに
行けるということだ。
さて、なぜ結果が
出ないのだろうか?
私は結果が出ていないということに
気づいただけでも
他の先生より一歩先を
いっていると思う。
なぜなら…
ほとんどの先生は、
そのことすら気づいていないからである。
黒川
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