説得ではなく、納得してもらう方法とは?

 

From:黒川 純

@診察室より、、、

 

先日、唐揚げ専門店に
行った時のこと。

 

実は、

こないだラーメンを
食べに行った帰りに

そのすぐ横に
唐揚げ専門店ができていた。

 

半年前に見かけたときは
まだなかったので、
最近できた新しいお店だと思う。

 

入口を入ると
店内には女性スタッフが2名。

 

注文を聞く人と
唐揚げを作る人だけ。

 

唐揚げの種類は5種類ほど。

 

初めてのお店だから
一番人気の普通の唐揚げを5つ買った。

 

家に帰って
すぐに食べるつもりだったけど、

ラーメンでお腹いっぱいだったので、
僕は食べれなかった。

 

でも子供たちは
「唐揚げ食べれる?」

と聞くと、

 

「食べる~」

すごい食欲だ。

 

娘が一番に
唐揚げを食べ始めた。

 

でも、なんか様子がおかしい。

 

娘は唐揚げが大好きだ。

 

口をもぐもぐ動かしながら、
変な顔をしている。

 

僕が
「どしたん?」
「美味しくないんか?」

 

そう聞くと、
「なんか変な味がする~」

「え?そうなん~?」

 

すると今度は息子が食べ始めた。

 

息子は、
「お、これうめ~!」

すぐにそう言った。

 

僕が
「じゃろ~、だってその唐揚げ日本一って書いてあったけ~な~」

というと、

娘が再び唐揚げを食べ始めた。

 

「あれ?どしたん?」

と娘に聞くと、

にやけながら
もぐもぐ食べている。

 

「日本一って聞いたから美味しくなったんじゃろ~」

と聞くと、

小さくうなずいて
美味しそうに食べていたのだ。

 

子供は単純だ。

いや、大人もだ。

 

その唐揚げを何の情報もなく食べたら、
普通の唐揚げかもしれない。

 

でも「日本一」と聞くと
途端に美味しくなる。

 

美味しくないものでも
有名なシェフが作ったとか、
希少な部位だからと聞くと

その味が正解となり、

「これが美味しいもの」

という認識に変える。

 

その時の情報は
大きな影響力がある。

 

”その時の”というのは
判断するときだ。

 

特に明確な判断をしにくい
味はその典型例かもしれないが、

私たち施術家でも
当てはめて考えることができる。

 

そう、施術効果だ。

 

もちろん、良くなるという
判断基準はあるのだが、

何回でどれくらい
良くなるのか

という基準は病態によって違うし、
個人差もある。

 

患者さんは
その正解を知らない。

 

だから、

ちゃんと説明して
その判断基準の情報を
提供しなければならない。

 

これを怠ると
患者さんは正しい判断ができず、

もしかしたら娘のように
「美味しくない」

という判断を
するかもしれない。

 

もちろん、

味の感覚というのも
個人差があるので、

 

娘にとっては本当に
美味しくなかったのかもしれない。

 

でも、

その判断基準の材料があることで
誤った判断は減る。

 

さて、先生は患者さんに何をどのように
説明しているだろうか?

 

そしてその説明は
患者さんが「判断」する
前に提供しているだろうか?

 

判断が終わった後に情報を提供しても
それは手遅れだ。

 

なぜかというと
それは「説得」になるから。

 

患者さんには「説得」ではなく
「納得」していただくのが望ましい。

 

納得していただくには
患者さんが判断する前に
十分で適切な情報を
提供しておくことがポイントになる。

 

先生は患者さんが判断する前に
情報を提供していますか?

 

黒川

 

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