From:黒川 純
@診察室より、、、
うちの庭には、
いろんな植物を植えている。
玄関を出るとアプローチの
両サイドに小さめの花壇がある。
ここは嫁の管轄だ。
3、4種類の植物が植えてある。
アプローチには枕木を並べ
その間には芝生を敷きつめている。
アプローチは玄関を出て数歩のところで
右へカーブしている。
その左手が駐車場だ。
駐車場にも枕木を並べ
アプローチと同じように
芝生を敷きつめている。
ただ、どうしても車が通るところには
ワダチができてしまう。
そう、芝生がはげてしまうのだ。
だからそこにはレンガを敷いて、
レンガの間にも芝生が
入っていくようにしているのだ。
アプローチの右手には
リビングから外にも出れるテラスがある。
そのテラスとアプローチの間に
枕木を縦に等間隔に並べて
その間に白色に塗った
木のフェンスがある。
そのフェンスに沿って
嫁が色んな植物を植えている。
ローズマリー、ワイヤープランツ、
セダム、クローバー、アイビー、、、
どれもグランドカバーといって
地面を覆う植物。
生長が早く、
強い植物が多いのが特徴だ。
だからちょっとでも手入れを怠ると、
一気に広がってしまい
アプローチを覆いつくしてしまう。
それほどの生長力があるのだ。
先日、そのフェンスに沿って
植えているグランドカバーを
見ていたときのこと、、、
ふとアイビーに目がいった。
アイビーとはへデラとも呼ばれていて、
色んな種類がある。
よく民家の外壁や壁にツルが
伸びて広がっているのがアイビーだ。
うちのアイビーもフェンスや
枕木にツタを伸ばして上へ上へ伸びている。
「ん?」
ツタが上に伸びるのはいいが、
どうやって枕木に
くっついてるんだろうと不思議に思った。
だって上に伸びても風に吹かれたりしたら
倒れちゃいますよね。
朝顔みたいな感じで支柱に巻きついて
伸びていくんだったらわかるけど、、、
そう思って、
アイビーがどうやって枕木にくっついて
上に伸びているのかを観察してみた。
まるで夏休みの
宿題をしているみたいだ。
アイビーをよく観察してみると…
ツタが枕木に何箇所かで
くっついている。
さらにそのくっついている部分を
詳しく見てみると接着剤で
くっついているような感じ。
そのツタを少し引っ張ってみたのだが、
結構強くくっついている。
ツタから接着剤みたいなものが
出ているのかな?
本気でそう思った。
それくらいしっかりくっついていたのだ。
肉眼でいくら観察しても
それ以上のことはわからなかった。
そこで、ちょっと調べてみた。
するとすごいことがわかった。
なんと風速60メートルの
台風の時でも剥がれないようになっているとのこと。
これにはびっくりだ。
どうもくっついている部分は
気根(きこん)といって
本来地中に伸びる根っこが
茎などから伸びたもの。
さらにその気根から
根毛がたくさん出ているらしい。
でもいくら根毛がたくさんあるとしても、
その根毛がどうやってくっついているのだろうか?
どんどん気になってきた。
さらに調べてみると
森敏氏という方にたどり着いた。
森敏氏は、、、
植物生理学では、
根が多糖類の粘液物質を
分泌することはわかっている。
その物質がアイビーの場合は
乾燥して強固な糊となって
対象物から離れないようになっているとのこと。
そして、、、
この多糖類を分析すれば、
天然ゴム以上の強固な
接着物質が得られるかもしれない。
そう締めくくっていた。
わからないことを調べるということは、
すごく体力のいることかもしれない。
でもその見返りも大きい。
最初は、庭に植えている
アイビーにたまたま目が行き、
よくみると枕木に張り付いていた。
それで、なんとなく
「なんでくっついているんだろう」
とちょっと気になっただけ。
それが調べていくと、
最終的には天然ゴム以上の
接着物質の発見にも繋がりかねない
という話しにまで
発展することになった。
もし、私がアイビーに全く興味なく、
調べていなかったら、、、
こんなことは知る由も無い。
これは日頃の院経営や施術も同じこと。
ちょっと気になったことやわからないことを
絶対に放置してはいけない。
こういったことを放置するかしないかが、
他のできる治療家との
大きな違いかも知れない。
できない治療家は学べるタイミングを
自ら逃しているわけだ。
…先生?
今日は何かわからなかったことや
不思議に思ったことはありませんか?
今から30分だけ調べてみませんか?
黒川
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