From:黒川 純
@診察室より、、、
「着いた?」
「着いたよ〜!」
昨日は朝から車に乗って
家族で赤穂市にある
海浜公園に行ってきた。
岡山から赤穂までは
下道で1時間半ほど。
高速を使えば
1時間ほどのところだ。
いつもはお留守番の
てつも昨日は一緒だ。
赤穂海浜公園はペットも
入園可能なのだ。
と知っているようなことを言っているが、
実はこの公園に来るのは初めて。
最近、あまり土日に子供と
お出かけすることがなかったので、
土曜日の夜、嫁と一緒に色々探して、
ここに決めたのだ。
車と止めると、
”やっと出れる!”
と言わんばかりに子供達より
はしゃいだ様子のてつ。
車のドアを開けると、
てつが一番に降りてきた。
この公園は、広大な敷地のなかに
幼児向けの遊園地エリア、
動物との触れ合いエリア、
広場エリア、ボートに乗れる湖エリア、
アスレチックエリアなどがある。
〇〇エリアというのは
私が勝手に言っているだけだが、
ここに来ればいろんな遊びが出来る。
しかも入園料がなんと無料!
子供のいる家族には
すごく助かる。
もちろん、観覧車やゴーカートなどの
乗り物にはお金がかかるが、
入園料が無料というのはポイントが高い。
公園についてまず子供達が走ったのは、
フワフワのやつだ。
よく何かのイベント会場でみるヤツだ。
子供には鉄板だ。
そのあとはゴーカート、
なんかくるくる回るだけの遊具、
サイクルモノレールなど
片っ端っから乗っていった。
一通り遊んだところで、
あることに気づいた。
どの遊具も”昭和”なのだ。
しかも、恐いとか危ない遊具がない。
あえて言うなら観覧車くらいだ。
さらにもう一つ興味深いことが、、、
それは、スタッフがみんな
高齢ということ。
おそらく60歳以上だと思う。
私の親、下手したら
祖父くらいの年代だ。
最終的にこの公園で若いスタッフは
一人も見かけなかった。
でもそれがすごくよかった。
例えば、あのフワフワのやつで
実は娘が唇を切ってしまったのだが、
すぐにそのことに気づき、
娘を外に誘導してくれた。
普通のスタッフならそんなとき
「痛いよね〜、大丈夫かな〜?」
と娘に寄り添うように接し、
私たち親にも申し訳なさそうに…
「すいません…お子様がお怪我をされたみたいで…」
こう説明するだろう。
しかし、ここのスタッフはちょっと違った。
出てきた半ベソの娘の顔色を見て、
すぐにポケットからティッシュを娘に渡し、
「ちょっと見せてごらん?」
「あ、大丈夫大丈夫!ちょっと唇切れてるだけだよ」
「あそこに水道あるから洗っておいで」
そう言ってくれたのだ。
そして、そのあと私たちにも
「ちょっと唇を切ってるから、あそこの水道で洗ってきぃ」
と軽〜く説明してくれた。
接し方が違うというよりかは
むしろ”普通”だったのだ。
他にもこんな光景を見かけた。
変わった自転車に乗れるところで、
30代後半の男性が難しそうに乗っていた自転車。
すると70代、いや80歳くらいのスタッフが
「にぃちゃん、力入れすぎやわ。こうやって乗るんよ」
そう言っていとも簡単に
その自転車を乗りこなしていた。
こんな感じで、ここの公園では
高齢のスタッフが長年の経験から
注意や教育、楽しさ、工夫、創造…など、
いろんなことを屁理屈なしに
子供に提供していただけた。
子供だけではない、
大人も勉強になった。
最近は、
「お客様」「お客様」「お客様」…
こればっかりだ。
これが店員とお客の溝を深めていることに
ほとんどの人が気付いていないと私は思う。
「だってお客さんいないと商売は成り立たないでしょ?」
そんな理由で、お客さんを崇拝している。
でもそれは勘違いだ。
店員がいなければ、
その商品やサービスを受けることはできないのだ。
だから、、、
【店員<お客様】
この関係は成り立たない。
店員と客は対等だ。
これは先生と患者の関係も同じだ。
先生がいなければ、
怪我はなかなか治らない。
先生は怪我を治す技術と引き換えに
お金をいただいているのだ。
患者さんはその逆で、
お金を払って怪我をちゃんと
治してもらっているのだ。
ほぼ対等の価値を
交換しているだけなのだ。
だからそこにどっちが偉いとか、
どっちの方が立場が上みたいなことはないのだ。
私はこの公園にきたとき、
スタッフの方をみて
”公園の店員”という
感覚にはならなかった。
そばで見守ってくれている
おじいちゃん。
そんなところだ。
子供達も帰りの車のなかで
「今日は今までで一番楽しかった」
「ここまた来る!」
そう言っていた。
「お客様」扱いというのもいいが、
この公園のように「孫が遊びにきた」
くらいの方がいいのかもしれない。
先生の院では患者さんとの距離感…
どうですか?
黒川
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