いざというとき…

 

From:黒川 純

@診察室より、、、

 

「予約空いてる???」

数日前の19時ごろ、
なんか緊急事態のような感じで
嫁から電話があった。

 

「どした?」

そう聞くと何やら、
息子の通っている野球チームの
友達が肩を傷めたとのこと。

 

しかもかなり痛そうで、
コーチからはすぐに
病院にかかるように
言われたけど時間が時間。

 

ほとんどの病院はしまっている。

 

だから嫁に相談の
連絡があったらしい。

で、嫁が私に電話してきたのだ。

 

正直、予約は空いてなかったが、
急患の場合はいつでも
受け付けるようにしているし、

息子の繋がりということもあって
すぐに来院してもらうように伝えた。

 

20、30分後、、、

小学3年生くらいの男の子が
お母さんと一緒に来院してきた。

 

男の子は左肩を右手で押さえて
痛そうにしている。

「〇〇くん、どうぞ~」

問診表を書いてもらったあと、
診察室に入ってもらった。

 

男の子は顔を少し下に向け、
変わらず左肩をおさえながら
ゆっくり歩いて診察室に入ってきた。

 

「院長の黒川です」
「よろしくお願いします」

 

私は全ての患者さんに
こう言って診察を始める。

 

早速、問診票をみると
左肩に〇がしてあり、

原因欄には”野球をしていて”とだけ
書いてあった。

 

これじゃよくわからない。

でもかなり痛そうだ。

「なんで痛くなったの?」
と聞くと、、、

 

「バット振ったときに…」

どうやらバッティングの
練習をしていて(右打ち)

振りぬいた瞬間に
右手を放してしまい、

その勢いで左腕が後ろに
強くいってしまったとのこと。

 

そこからは左腕を挙げることも
できなくなったようだ。

 

お母さんも心配そうに
横で見守っている。

受傷原因は大方分かった。

ここからは検査だ。

 

まずactiveで挙上してもらった。

挙上は80度位までしか上がらない。

 

次に外転をしてもらった。

これも同じくらいまでしか上がらない。

 

少し手を添えて挙上や外転もしたが、
角度は全く変わらない。

痛みの部位は大結節周辺。

 

触診にて骨頭の位置を確認すると
明らかに左の骨頭が前方に位置していた。

そう、脱臼だ。

 

そのまま、他の検査を一通り行い
合併損傷の有無を確認。

他に何も損傷はない。

 

お母さんに説明後、
すぐにそのまま座位にて優しく整復。

「はい、終わったよ~」

痛みを感じた様子もなく
サッと整復できた。

 

するとさっきまであがらなかった左腕が
ヒョイッと上がるようになった。

 

お母さんも何が起こったか
まだのみこめてない様子。

「え?治った?痛くないの?」

「うん(・_・)」

男の子も「え?」って感じで
不思議な顔をしていた。

 

整復確認をしてもう一度、
合併症などの検査をした。

 

最近は、脱臼や骨折の患者さんは
かなり少なくなったと聞く。

 

もちろん、いまでも多く来院されている院はあると思うが、
ほとんどの院で減少しているらしい。

 

先日、とあるメーカーの方と
話しをしていた時も

「最近は固定材料は滅多に出ないですよ」

そう言っていた。

 

みんな何を使って
固定をしているのかな?

もしかして固定をしない
新たな方法があるのかな?

 

とかいろいろ思ったけど、
そもそも外傷の患者が全国的にも減っている
というのが現状のようだ。

 

こうなると悪循環になってしまう。

 

骨折や脱臼の患者がこないと、、、
整復や固定をする機会が減る。

 

そうすると必然的に経験症例数が減る。

となれば技術力が低下する。

 

そしていざというときに
うまくいかない。

 

結果的に外傷の患者さんが減る。

こうなるのだ。

 

だからこそ、

いつ骨折や脱臼の患者さんが
来院されても対応できるように

普段からトレーニングしておく
必要があるのだ。

 

いざというときにいかに
ちゃんと対応できるか…

これってすごく大事な
ことなんですよね。

 

黒川

 

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