From：黒川 純

＠診察室より、、、

 

自宅の近くに個人で経営している
お好み焼き屋がある。

いや、ほんと近くて、、、

歩いて10くらいのところなんですね。

 

以前、この場所には小さな居酒屋さんが
入っていたのだが、

移転か廃業かはわからないけど、
一時空っぽだった。

 

確か1年くらい前だっと思うけど、
そこにお好み焼き屋ができたのだ。

 

この辺りは住宅街で、
私の自宅も4軒並びの一番奥。

ちなみにお好み焼き屋さんのところも
5軒が密集している。

 

もちろん、
その周りも住宅だらけだ。

新築戸建、かなり昔からある家、
新築マンションにアパートもたくさんある。

 

つまり、このお好み焼き屋さんは
住宅街の中にあるのだ。

 

ということは、、、

必然的にお客さんも
その住宅街ということになるだろう。

 

でも、オープンの時もその後も
挨拶もなければチラシも入ってない。

だから、
いつオープンしたのか知らないし、

そもそもどんな方が
経営しているのかも知らない。

 

いや、以前に2回ほど見かけたことがあった。

 

そういえば、、、

私の妻は一度すれ違ったけど、
挨拶も何もなかったと言っていた。

 

さて、このお好み焼き屋さん、、、

先生は流行っていると思いますか？

 

私と妻は週7日、
てつ（うちのわんこ）の散歩に行く。

そう毎日だ。

 

遅い時間ではあるが、
その散歩に行くときに必ず
そのお店の前を通るのだ。

だから毎日、
お客さんの入り具合がわかる。

 

昨日も、、、

「てつ、散歩行くぞ！」

そう言って勢いよく自宅の玄関を
飛び出していった。

もちろん、妻も一緒だ。

 

てつは、自宅の玄関を出ると
必ずダッシュして
すぐ近くの電信柱でおしっこをする。

 

「今日はちょっと寒いな〜」
半袖の妻がそう言った。

「確かに昨日より寒いわ」
と半袖の私が返した。

 

ここ最近、夜でも半袖の方が
心地よかったのだが、

この日は雨の後ということもあってか
少し冷えていた。

 

そんなたわいもない会話していると、
いつものお好み焼き屋さんの前にさしかかっていた。

店内に電気はついている。

 

カウンターが4〜5席ほど、
テーブル席が2つほどの小さなお店。

ふと店内を見ると、、、

 

カウンター横にパイプ椅子を置いて
そこに中年で体格のいい
店長らしき人が座っている。

「あ、、、」

目が合ってしまった。

 

気まずくてとっさに会釈をした。

今日も店内にはお客さんが誰もいない。

 

お店の前を数秒で通り過ぎた後、
妻に、、、

「今日もお客さんおらんかったな〜」

「大丈夫なんかな〜？」

いらないお節介だ。

 

先生も予想できると思うが、
このお店にお客さんが
入っているところを

ほとんど見たことがない。

 

数ヶ月に一回くらいだろうか、
知り合いなのか、常連なのかはわからないが
5人くらい入っているのを見る程度だ。

金曜日や土曜日の夜も
ほとんどお客さんは入ってない。

 

そういえば最近、
回覧板を持って行くところが変わった。

以前は、お好み焼き屋さんの裏のお家に
回覧板を持っていっていたのだが、

1ヶ月ほど前からうちの次が
聞いたこともないような名前になっていたのだ。

 

まさかと思って、
お好み焼き屋さんに、、、

「すいません、失礼ですが〇〇さんはこちらでしょうか？」

そう聞くと、
「はい、そうですけど！」

まさかだった。

 

だってオープン当初、
挨拶すらなかったお好み焼き屋さんが

1年ほど経っていきなり
町内会に入ってきたのだ。

 

別に悪口を言っているわけではないし、
「町内会に入ってきやがって」
みたいに思っているわけではないが、

なぜもっと早くから町内との
交流をもたなっかったのだろうと思った。

 

こうした住宅街の中にあるお店の場合、
固定客のほとんどは
その住宅街に住んでいる人だろう。

もちろん、すごく美味しいお店なら
口コミで遠くから来るかもしれない。

 

でも、そもそもお客さんが来なければ
その味すら伝えることはできないだろう。

このお店が今後どうなるかは同じ地域として、
いや、ご近所さんとして気になるところだ。

 

ただ、まだ私もこのお店に
行ったことはないし、
行く気にはなってない。

先生はなぜだかわかりますか？

 

そしてどうやったら
私がこのお好み焼き屋さんに
行くと思いますか？

 

その答えこそ、、、

もしかしたら先生にも
当てはまるかもしれませんし、

何かのヒントに
なるかもしれませんよ。

 

黒川