From:黒川 純
@自宅のリビングより、、、
先日、ちょっと愛想の悪い
患者さんが来院したんです。
その患者さんは50代の男性。
院に入ってきたときにこちらが
「こんにちは〜!」
と言っても挨拶はなく無表情。
問診票を書いている時も無表情。
「もしかしたらすごく痛いのかもしれない…」
そのようにも感じていた。
そして「〇〇さん、こちらへどうぞ〜」
と診察室へ呼ぶと、
返事はなく、さっと立ったのだが、
そのあとはちょっとめんどくさそうに
ゆっくりと歩いて診察室に入ってきた。
「この若造が俺の身体をちゃんと見れるんか?」
そう言っているかのように感じた。
問診票にある人体のイラストには、
腰の部分に大きな丸をつけていた。
「院長の黒川です。よろしくお願いします」
私はいつも初診の患者さんには
こう言って診察を始める。
多くの患者さんは、この時に「あ、こちらこそ」とか
「〇〇(名前)です。お願いします」
と挨拶をしてくれる。
でもこの患者さんは何も言わずに、
しかも無表情だった。
こうなると「すごく痛いのかもしれない…」という
私の予想は外れているかもしれない。
そう思い始めた。
ただ、私が既往歴や受傷原因、
疼痛部位などを聞くと普通に回答してくれていた。
そして検査をした。
その結果、病態が明らかとなったので、
その病態を事細かに説明し出すと、、、
前のめりになって私の話を聞き出しただけでなく、
どんどん質問し始めたのだ。
おそらく、私が病態を説明したことで
「この先生はいいな」とでも
思っていただけたのかもしれない。
その後も質問は続き、
施術後も笑顔で
「ありがとう!」
そう言って院を後にした。
もしかしたら単なる人見知り、
もしくは信用がなかったからなのかもしれない。
もちろんその後も
ちゃんと通院してくれている。
私は、この患者さんが来院された時、
見た目や表情だけで
その患者さんに偏見を
持っていたのかもしれない。
「人を見た目だけで判断してはいけない」
と言われるが、
まさにその教訓が重要であるということを
身にしみて感じることができた。
これはいわゆる”先入観”とか
”思い込み”ということでも同じようなことが言える。
例えば、肩こり。
僧帽筋の上部線維が
硬化しているから肩がこる、
というのは単なる先入観だ。
というのも、、、
この筋肉が硬いにも関わらず、
肩こりの症状がない人や
硬くないのに肩こりの症状が
強い人もたくさんいらからだ。
先入観や思い込みは単に成長を阻害する。
まずは自分自身の先入観や思い込みが
どのようなことなのか気づく必要があるのだ。
いつも繰り返していること、
いつも同じように発している言葉に
何かヒントがあるかもしれない。
黒川
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