女性ホルモンってめんどくさい?

 

From:黒川 純

@診察室より、、、

 

今日の午前中に来院された
患者さんの話し。

 

先生、第2関節が痛いんです…

そう言って来院されたのは、
ご年配のおじいちゃま。

 

右の中指PIP関節を指さして、

洗い物をしていると
ここがすごく痛いんです。

 

そう訴えていた。

 

この方、身内の方の介護で
日常のほぼすべての家事を毎日している。

 

そのせいか腱鞘炎にも何度かなり、
何年か前に左中指の腱鞘炎に悩まされ、
腱鞘切開の手術を受けていた。

 

この日、訴えていたのは
右の中指PIP関節部だ。

 

おじいちゃまの右手を見せてもらうと、
とてもネンキの入った手をしている。

 

正直きれいな手ではない。

ちょっとゴツゴツしていて
シワやシミもあってカサカサしていた。

 

手をみるとその方のこれまでの
人生すらも感じることができる。

 

ふと、患者さんの訴える
右中指のPIP関節をみると
少し腫れているように見えた。

 

私は患者さんの中指の基節骨を
右手の母指と中指でもち、

左手の母指と中指で
患者さんの中節骨をもった。

 

そしてゆっくり患者さんの
PIP関節を屈伸させてみた。

 

痛みはない。

さらに外反や内反を加えたが、
痛みは出なかった。

 

回旋も加えたが
それでも痛みは出ない。

 

ちなみに他指の関節も観察してみたが、
明らかな異常はなかった。

 

そこで、左手の母指と中指で
患者さんのPIP関節を内外側から圧迫してみた。

 

すると…

「あ、先生、それは痛いわ」

これまでPIP関節にいろんな動きを加えても
痛くなかったにもかかわらず、

PIP関節を内外側から圧迫したときだけは
とても痛そうにされていた。

 

この病態、、、

先生ならもうおわかりですよね。

 

そう、「ブシャール結節」です。

 

これはPIP関節が炎症を起こして
変形したりROM制限を引き起こすものです。

 

類似疾患にはへバーデン結節や
CM関節症などがあります。

 

へバーデン結節はとても多いですが、
このブシャール結節というのは
比較的発生頻度は低いものです。

 

症状や経過はへバーデン結節と
同じように進行します。

 

最初は痛みが強く
徐々に痛みは軽減してきますが

同時に関節の変形が進み、
PIP関節が屈曲位で拘縮することもあります。

 

原因はいまだ不明であり、
治療法も確率化されたものはありませんが、

一般的には温熱療法や
テーピングが有効としれています。

 

ちょっと細かな話しですが
発症原因にエストロゲンの関与があるのではないかと
私は推測しています。

 

実は昨日、

院内の勉強会をした時にも
少し話したことなんですが、

エストロゲンの受容体が
全身各所の関節部に存在しています。

 

そのため、

エストロゲンの分泌量低下が
軟骨の変性や関節症発症の
一因ともいわれています。

 

これは膝OAについての報告ですが、
もちろん指でも同じことが言えます。

 

院には様々な患者さんが来院されます。

 

患者さんの訴えを
聴くことは当然ですが、

そのうえでちゃんとみて、
ちゃんと説明して、

ちゃんと施術しなければなりません。

 

どれか一つでも足りないと
施術はうまくいきません。

 

患者さんへの説明、
そして先生の知識の一つとして
活用していただけたら幸いです。

 

黒川

 

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