うどん屋が流行っている理由

 

From:黒川 純

@診察室より、、、

 

先日、嫁の車の車検のため
倉敷に行ったときのこと。

 

嫁の車は”ラパン”。

 

車検のため、

幼馴染みの弟が働いている車屋に
ラパンを持って行った。

 

これが12時過ぎぐらいのことだ。

 

車屋に着くとすぐに社員の方がきて、
案内してくれた。

 

まだ名前も言っていないのに…

 

いつもこのお店の
社員さんには驚かされる。

 

そう、ここの社員さんは
お客さんの顔と名前を
よく覚えてくれている。

 

それだけではない。

 

おそらく、
そのお客さんの担当者と

その日なんでお店に来たのかも
把握しているようだ。

 

というのも、
前に違う車で来た時もすぐに

「黒川様、こちらへどうぞ」
「担当スタッフを呼んできますので、
こちらで少々お待ちください」

こんな風に対応してくれた。

 

顔を見ただけで
名前を呼んでくれ、

そして担当スタッフや
その日の用事までを
把握しているというのは
客としてとても嬉しい。

 

なんかVIP客みたいな
気分にもなる。

 

そんなことに感動している間に
担当の社員さんがきてくれた。

 

その社員さんにラパンのカギを渡し、
家族でお昼ごはんを食べに行くことにした。

 

いつも子供たちに「何食べたい?」

と聞くと必ず意見が割れて、

最終的にケンカになるので
今回は嫁と話して
「うどん」に決めていた。

 

というのも車屋さんの近くに
古いうどん屋さんがあるのだが、

いつも車屋さんに行くたびに
そこの前を通るので気になっていたのだ。

 

しかも駐車場はいつもいっぱい。

 

その日も駐車場はいっぱいだったが、
たまたま1台だけ空いていた。

 

うどん屋に車を止めると
子供たちもすぐに気づいた。

 

「今日うどん???」

「正解!」

というと、

「え~…」

ま、いつもこんな反応なので
私はもう慣れていた。

 

え~とかいいながら
結局お店に入ると

なんでも美味しそうに
いつも食べるからだ。

 

お店に入ると
フワッと出汁の香りがした。

 

カツオと昆布の香りかな、、、?

いい香りだ。

 

私は、一気にその匂いを
鼻から吸い込んだ。

 

すると急激に
お腹がすいていきた。

 

入り口を入ってすぐ
左側でかけうどんを頼んで、
前に進んだ。

 

私のすぐ後ろに
子供と嫁がいる。

 

子供たちと嫁は
ざるうどんを頼んでいた。

 

小皿をもって前に進むと
トッピングコーナーに

チェーン店とは違う
食材が並んでいた。

 

玉ねぎ、サツマイモ、
れんこん、ゲソ、うずら…

ここまではわかる。

 

でも、、、

ハッシュドポテト、シイタケ、
タケノコ、肉団子、チューリップ、
キクナ、カレーコロッケ…

少なくとも私の知っている
チェーン店にはこんなトッピングはない。

 

もしかしたら、そこにお客さんを
引き付ける要素があるのかな?

 

このときはそんな風に思っていた。

 

会計を済ませると
タイミングよく座敷があいたので、
すぐに座った。

 

嫁と子供たちも
すぐに座って、

「いただきま~す!」

 

早速割りばしを割って、
うどんを持ち上げると…

「ふとッ!!!」

うどんの太さが
普通の1.5倍ほどある。

 

思わず口ずさむほどだ。

 

さらに口に入れてうどんをかみだすと
すごいコシがある。

 

しかもうどんの
味がしっかりわかる。

 

これはうまい…。

 

と同時にいかに自分が
浅はかな考えを
していたかを後悔した。

 

数分前、

私はこのお店が
流行っているのは

珍しいトッピングあるからだ
と思っていた。

 

でも違った。

 

このお店が流行っているのは、
間違いなくこのうどんのうまさと

どこにも負けない
うどん独特のコシの強さだ。

 

これは私達のような
小さな院にとって
最も重要な本質的な部分だ。

 

うどん屋でうどんがうまいのは
当然のことであるように

治療院で治すことが
できるというのも当然のことだ。

 

そしてその当然のことを
徹底的に磨き、
お客さん(患者さん)を魅了する。

 

マーケティングも重要だが、
それよりも重要なのは

やはり治療院の本質である
「患者さんの問題を解決する」
ということだ。

これをないがしろにして
マーケティングだの
何だのっていう資格はないし、

プロとしての誇りすら
感じることはできない。

 

私達の業界は生涯勉強だ。

 

これはスタッフにも
いつも言っている。

 

特に基礎的な解剖学や
生理学、運動学は重要だ。

 

もちろん私もいまだに
この基礎をよく見直す。

 

その基礎があるからこそ
応用もできるし、

新たな理論も
生まれてくるものだ。

 

まずは治療院の本質を
徹底的に磨き上げることが

プロとして、治療家として
最優先事項だ。

 

黒川

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