From:黒川 純
診察室より、、、
昨日の夕方に
腰痛と足の痺れを
訴えて来院された
新患さんの話し。
「先生、お願いします!」
スタッフが診察室に
カルテを持ってきた。
新患さんのカルテだ。
当院には診察室があり、
新患さんは必ず診察室で問診や検査を
行うようになっている。
この日は17時半に
診察の予約が入っていた。
スタッフが持ってきた
カルテに目を通したあと、
新患さんを
診察室におよびした。
「〇〇さん、こちらへどうぞ~」
患者さんを
呼び入れるのは私だ。
男性、伸長は175㎝ぐらいだろうか。
がっちりとした体格。
「では、こちらへおかけください。」
「院長の黒川です。よろしくお願いします。」
私はこうして
必ず挨拶をする。
すると、
「こちらこそよろしくお願いします。」と、
とても感じのいい患者さん。
はじめに既往歴などを
聞いたあと、
まず、いまの症状を聞いた。
腰の痛みは
1ヶ月ほど前から。
別に大したことは
ないとのこと。
それよりも3ヶ月ほど前から
足の裏がしびれている。
これをどうにかしてほしい。
そう訴えられた。
問診票をみると
病院にかかっていたため、
詳細を聞くことにした。
病院には3院ほど行った。
MRIもとったが
L5/S1のヘルニアと診断。
ただ、軽度なため手術はせず、
経過をみるようにいわれた。
薬をもらったけど、
この3ヶ月、
全く症状は変わらない。
他の病院も「ヘルニア」だね。
で終わり。
そこで、ネットでいろいろと
探していたところ
当院のホームページを見つけ、
すぐに電話したとのことでした。
これで来院までの
いきさつが明確になった。
私はさらに問診を進めた。
まずは痺れの範囲だ。
詳細を聞いていくと、
しびれている範囲は足底のみ。
特に前足部に
強くあるという。
他に痺れや痛みのような
症状はない。
次に日常について聞いた。
力が入らないとか、
つまづきやすいなどの症状はない。
そして検査にうつった。
各種検査、神経学的所見を
詳細にみたが、
明らかな異常はない。
何かおかしい。
痺れの範囲を聞いた時点で
違和感を覚えたのだが、
それが検査で
さらに強まった。
ヘルニアではない。
そう思った。
そこで再度SLRを
行うことにした。
やはり異常はない(70度)。
次にSLRの状態で
内旋を加えてみたが、
これも異常はない。
今度は同じ角度で
足関節を背屈してみた。
すると痺れが増強した。
そこでSLRの角度を
30度ほど下げて
もう一度背屈してみた。
同じように
痺れが増強した。
なるほど。
ほぼ病態がわかった。
さらに今度は座位で
足関節を外反させ、
さらに足趾を
MP関節で最大伸展させた。
そう、これでも痺れは増強した。
さて、先生はこの病態がなにか
推測できたでしょうか?
そうです。
足根管症候群です。
痺れの範囲や、
tinel signその他の所見から、
いわゆる近位足根管での
絞扼性神経障害です。
さて、いいタイミングです。
この病態がわかる先生も
わからない先生も
このタイミングで
復習してみてください。
近位足根管の場所と
足根管内を通る組織、
遠位足根管の場所と構成組織。
解剖学は重要です。
解剖がわかっていれば、
いろんなことがわかります。
別に病名なんか知らなくても
解剖学や運動学、生理学辺りが
わかっていれば施術はできます。
あ、あともう一つ…
触診ですね。
ちなみに足底筋膜炎と
思って施術しても
なかなか治らない…
なんてことはありませんか?
そもそも足底筋膜炎は
治りにくいとされていますが、
本当に足底筋膜炎でしょうか?
もしかしたら、、、
外側足底神経の第1枝が
〇〇と〇〇の間で
絞扼されているかもしれません。
これは、圧痛点でしか
鑑別することができません。
ということは、
やはり解剖学大事です!
先ほども言いましたが、
いいタイミングです。
【足根管】
復習してみてくださいね。
黒川
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